「お客さまの話を聞くこと」からはじまります

お客さまであるダイカストメーカーの多くは、ダイカスト金型を使って大量生産したいものの図面と、金型に求める機能をまとめた仕様を携えて来社されます。
営業の仕事はそんなお客さまの話を聞くことからはじまります。金型は、あるひとつの形状の製品を大量生産するために何年も使われるツールです。お客さまの「こんな形状のものをつくりたい」「こんな課題を解決したい」というニーズを確実にキャッチすることがたいせつです。
要望を解決する提案を考えます
営業は受け取った図面や仕様書をもとに、お客さまとの話し合いを重ね、提案をまとめていきます。金型の大きさや構造はもちろん、溶かした素材を流し込む部分(ゲートやランナー)の方式や位置、金型が製品からスムーズに離れるような形状の工夫(抜き勾配)などもこの段階でまとめていきます。
提案をまとめる際には、設計チームや製造チームとも連携し、その意見も反映させます。これは、提案の精度を高めるという効果に加え、受注後の設計工程、製造工程をスムーズにし納期を短縮させるという効果を生み出します。

全体最適を視野に入れ、製作プロセスを提案
当社の営業チームは、全員が設計や製造で10年以上の経験を積んでいます。そのためにお客さまとの打ち合わせの段階から、お客さまの製造プロセスにまで踏み込んだ提案ができる強みがあります。
例えば、溶かした素材が金型のすみずみまで行き渡らないという湯回り不良への対応です。 こうした問題については蓄積された知見を活かし、鋳造条件の変更など技術的な視点で提案を積極的にしています。
このような提案により、従来、ダイカスト金型では製造が難しいと考えられていた形状のものの量産を実現し、お客さまの生産にかかるコストを大幅に低減させた実績も多数あります。

納品も営業の仕事です
完成したダイカスト金型を納品するのも営業の仕事です。さまざまな提案が反映された金型をトラックに載せ、お客さまのもとに向かいます。たいせつに育てた自分の子どもを送り届ける気分です。
現在の営業エリアは中部地方を中心に、関東、関西、中国地方にまで広がっています。その他、修理や保守などのアフターサポートも営業が担当します。

営業チームが考える、金型づくりの楽しさとは
ダイカスト金型は、数十から数百種類のパーツからなる複雑な構造をしています。
大きくは、ダイカストマシンの固定盤に取り付ける「固定型」と可動盤に取り付ける「可動型」に大別され、それぞれに「入子(いれこ)」「主型(おもがた)」という重要な部品があります。
その他にも「中子(なかご)」「抜きピン」「ガイドピン」「エアベント」「分流子」「リターンピン」といった部品や機構が立体的に組み合わさった複雑な構造をしています。それらが機能するさまを想像するのは、立体パズルを解くかのような面白さがあります。これをフジイ金型では年間300型以上製造しています。
金型は、ひと型ひと型がオーダーメイドであり、異なった形状をしています。同じ形の金型をつくることはめったにありません。毎日が新しい仕事であり、それがこの仕事の醍醐味です。
